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松山地方裁判所 昭和57年(ワ)662号 判決 1986年12月26日

原告

田中昇

被告

藤田秀生こと朴秀生

主文

一  被告は、原告に対し、金六〇〇万円及びこれに対する昭和五七年四月三〇日から支払済みまでの年五分の割合による金員を支払え。

二  訴訟費用は被告の負担とする。

三  この判決は仮に執行することができる。

事実

第一請求の趣旨

主文同旨

第二請求の趣旨に対する答弁

一  原告の請求を棄却する。

二  訴訟費用は原告の負担とする。

第三請求原因

一  事故の発生

原告(大正一五年一月二二日生まれ)は、次の交通事故(以下、本件事故という。)の当事者となつた。

発生日時 昭和五七年四月二九日午後二時三〇分ころ

発生場所 愛媛県松山市山越町一丁目一番地四二号先道路(国道一九六号線)上

加害車 軽四輪貨物車(愛媛四〇す八三〇四)

右運転者 被告

被害車 軽四輪貨物車(愛媛四〇き六六四六)

右運転者 原告

態様 追突

結果 原告は、頭部外傷Ⅰ型、外傷性頸部症候群(頸椎の変形とずれを伴う。)の傷害を受けた。

二  被告の責任原因

被告は、本件事故発生当時、加害車を自己のため運行の用に供していたから、自動車損害賠償保障法(以下、自賠法という。)三条により、本件事故から生じた人的損害を賠償する義務を負う。

三  治療経過と後遺症

1  原告は、本件事故により受けた前記傷害の治療のため、一六七日の入院と約一年間(実日数六五日)の通院を要した。その具体的内容は次のとおりである。

2  原告は、昭和五八年一〇月二八日、頭痛、頸肩部痛、頸部運動障害、両手のしびれ、耳鳴、体動(平衡機能障害)等の後遺症を残して、症状固定となつた。

四  損害

1  治療費 金三二六万二〇二八円

(一) 大野病院 金一万四二八〇円

(二) 北条病院 金一一五万〇二二三円

(三) 河田医院 金二〇九万四九三〇円

(四) 松山赤十字病院 金二五九五円

2  文書代 金七万三〇〇〇円

右は、診断書及び診料報酬明細書の費用である。

3  交通費 金九万七二〇〇円

原告は、河田医院への通院のため一日当たり金一八〇〇円の交通費を要した。その五四日分は金九万七二〇〇円である。

4  雇入れ日当 金三八万六〇〇〇円

(一) 原告は、本件事故発生以前から稲作、果樹栽培などの農業に従事してきている。

(二) 原告は、前記傷害のため農作業に従事することができなくなり、昭和五七年五月から同年九月までの間に、訴外池田好徳らを雇い入れ、田植、稲刈、果樹摘木などの作業に従事させた。

(三) 原告は、右池田らに日当として合計金三八万六〇〇〇円を支払つた。

5  休業損害 金二四八万四〇〇〇円

(一) 休業期間

原告は、本件事故発生以後、症状固定までの一八箇月間、前記傷害のため働くことができなかつた。

(二) 収入

原告は、本件事故発生前三年ころから訴外有限会社三和興産(以下、三和興産という。)に勤務し、石油タンクの掃除、土木仕事等の肉体労働に従事してきていた。原告の事故前三箇月の平均給与月額は金一三万三〇〇〇円であり、また、原告は、三和興産から夏、冬各期の賞与として金三万円ずつの支給を受けてきていた。原告が前記一八箇月間休業しなければ、一八箇月分の給与と昭和五七年夏、冬、昭和五八年夏の各期の賞与が得られていたはずである。

(三) 算式 13万3000×18+3万×3=248万4000

6  症状固定後の逸失利益 金八五万六四四一円

(一) 労働能力喪失率 一四パーセント

前記後遺症は、少なくとも、自賠法施行令別表第一二級(以下、単に一二級という。)には該当する。したがつて、労働能力喪失率は一四パーセントと見るべきである。

(三) 労働能力喪失存続期間 三年(新ホフマン係数二・七三一)

(三) 年収 金二二四万

右は、給与所得金一六五万六〇〇〇円(給与一三万三〇〇〇×一二+賞与三万×二)と農業収益金五八万四〇〇〇円(農業総生産年額金一四六万円の四〇パーセント)の合計である。

(四) 算式

(165万6000+58万4000)×0.14×2.731=85万6441

7  慰藉料 金二六一万円

(一) 入・通院期間分 金一六一万円

(二) 後遺症分 金一〇〇万円

8  弁護士費用 金四〇万円

9  以上合計 金一〇一六万八六六九円

10  損害填補 金二五一万七〇七〇円

11  9―10 金七六五万一五九九円

五  結論

以上により、原告は、被告に対し、前記損害金七六五万一五九九円の範囲内である金六〇〇万円とこれに対する昭和五七年四月三〇日(本件事故発生日以後の日である。)から支払済みまでの民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。

第四請求原因に対する認否

一  請求原因一は認める。ただし、結果のうち、原告の頸椎の変化とずれが本件事故の結果として生じたものであることは争う。

二  同二は認める。

三1  同三1のうち、原告が原告主張の入・通院をしたことは認める。ただし、それらがすべて本件事故により受けた傷害の治療のため必要なものであつたことは争う。右傷害の治療のため必要であつたのは、大野病院、北条病院、松山赤十字病院での治療診断だけであり、河田医院におけるものは必要のないものであつた。

2  同三2は争う。

四  同四については、1、2、3、10は認め、その余は認めない。

五  同五は争う。

第五証拠

本件記録中の各書証目録、各証人等目録記載のとおりである。

理由

第一事故の発生

請求原因一については、原告の頸椎の変形とずれが本件事故によつて生じたか否かを除き、当事者間に争いがない。

第二被告の責任原因

請求原因二については当事者間に争いがない。

第三治療経過

原告が請求原因三1記載のとおりの治療を受けたことは、当事者間に争いがない。

第四本件事故と治療との間の因果関係

一  頸椎の変形及びずれの存否及びその発生時期

鑑定人野島元雄の鑑定の結果(以下、野島鑑定という。)、証人野島元雄の供述(以下、野島供述という。)、証人河田實夫の供述と甲第一五号証(弁論の全趣旨により真正な成立が認められる。)を総合すると、<1>原告の頸椎に変形とずれが事故翌日の昭和五七年四月三〇日に既に認められたこと、<2>頸椎の右変形はその後進展を示していること、<3>頸椎の右ずれのその後の変化については明確にはされていないことが認められる。証人坂本崇雄の供述は右認定と必ずしも矛盾するものではなく、その他この認定の妨げとなる証拠はない。

二  頸椎の変形及びずれによる症状と本件事故との関係

1  野島鑑定と野島供述を総合すると、<1>頸椎の右変形は基本的には加齢によるものであり、本件事故が変形そのものに寄与する度合は、加齢による変形を促進する一因子としての程度に過ぎないこと、<2>頸椎の右ずれは、本件事故以前から生じていたと考えても、本件事故によつて生じたと考えても、いずれも不合理ではないこと、<3>しかし、本件事故前見られなかつた症状で頸椎の変形やずれに起因の求められるものが本件事故後見られるようになつたとすれば、本件事故による外傷が変形やずれに作用して発症させたものと考えてよいことが認められる。そして、原告本人の供述(第一回)と弁論の全趣旨とによれば、本件事故後原告に見られた症状は事故発生前には見られなかつたことを認めることができる。

2  そうだとすると、原告に生じた症状中に頸椎の変形やずれに原因を有するものがあるとしても、それは、本件事故によつて生じたものであるといつてよい。もつとも、変形やずれが本件事故発生当時原告に既に生じていたとすれば(前述のとおり、変形が既に生じていたことは明らかであり、ずれが既に生じていた可能性も否定はできない。)、本件事故後になつて、現実に原告に生じた症状の少なくとも一部は、本件事故の発生の有無にかかわらずいずれ生ずべき運命にあつたのではないか、との疑問が生じ、本件事故の発生の有無にかかわらずある症状が発生していたであろうとの可能性(この可能性は抽象的には常に存在する。)が一定限度以上に大きいものと認められるときは、右症状は本件事故によつて生じたものではないとして損害賠償の対象から外す処理をすることには合理性がある。けれども、本件において損害発生期間とされる期間がそれほど長期にわたるものではないこと(損害発生期間が長くなるほど、現実に生じた症状の少なくとも一部は事故の発生と無関係に生じたであろう可能性は大きくなる。)、原告は大正一五年一月二二日生まれでそれほどの老齢とはいえないこと等を前提にすると、右処理を行うに必要なだけの大きさの可能性を認定するためには、相当に明確な根拠が必要であるというべきであるのに、右根拠は、本件全証拠を検討しても見出すことができない。

3  次に、原告に現実に生じた症状と本件事故との間に右の意味で因果関係(事実に関する因果関係)が肯定される以上、頸椎の変形やずれが本件事故発生以前から既に存在しており、かつ、右症状の発生の原因の一つとなつているとしても、そのことを理由に損害賠償額を減らす扱い(民法七二二条二項参照)はすべきではない。もしそのような扱いが許さることになれば、それは、結局のところ、法が、その限度では、原告に対し、頸椎の変形やずれを生じさせないこと、又は、生じさせた後は、事故に遭う可能性のある場合に身を置かないことを期待することになつてしまうのであり、このような期待を正当なものと評価することはできないからである。

三  治療の必要性

1  一般に、事故の被害者が事故によつて生じた傷害に対するものとしてそれが必要であるとの医師の判断と指示とに従つて受けた治療については、被害者と加害者との間で事故による損害の賠償が問題とされる場合には、原則として、事故との間に因果関係(ここでいう因果関係には、事実に関する因果関係のみでなく、損害賠償の範囲を画する価値判断としてのいわゆる相当因果関係をも含む。)を有するものとして処理すべきである。仮に医師のなした治療の全部又は一部が医学的な客観的評価としては必要のない治療であつたとしても(治療の必要性の有無の判断、治療方法の選択に関する医師の裁量ということを考えれば、必要のない治療であつたとの断定自体が必ずしも容易でない場合も少なくないであろう。)、被害者にその点に関する判断評価を適切になすべく期待するのは通常無理であるから、当該治療も、事故により発生することが予想される範囲内の事実として、事故につき責任原因ある者の負担すべき損害賠償の対象となると考えるが、原則として適切というほかないからである(このことを機能的にいえば、加害者は、被害者との間では、治療が医師の判断と指示に基づくものである限り、過剰診療の主張をしても主張自体としては原則として不十分であり、過剰診療であつたか否かは、当該医師との間において解決しなければならないことになる。)。

なお、右に「原則として」と述べたのは、<1>当該治療が、もはや外形的にも当該事故による傷害の治療とはいえない程度にまでなつてしまつている場合、<2>当該治療が必要のない治療であることを被害者が何らかの理由により知つている場合、<3>医師の判断と指示が医学的に明らかに誤つており、かつ、医師の誤りの原因が責められるべき被害者の行為にある場合など、右とは逆の結論に導くべき特別の事情の認められる場合を除外するためである。

2  証人坂本崇雄、同河田實夫の各供述と弁論の全趣旨とによれば、原告の受けた前記各治療は、いずれも、当該治療を行つた各医師が、本件事故により生じた前記傷害の治療として必要であるとの判断を下して、その判断とそれに基づく指示によつて行つたものであると認めることができ、右認定の妨げとなる証拠はない。そして、右のようにして行われた治療であるにもかかわらずそれを損害賠償の対象から外すべき根拠となる特別な事情は、本件全証拠によつても認めることはできない。

3  なお、原告が北条病院から河田医院へ転医したのは、北条病院の指示によるものではなく原告自身の判断によるものである、との事実(この事実は、証人坂本崇雄、原告本人((第一回))の各供述によつて認められる。)をもつて、右特別な事情とすることはできない。被害者は、いつたんある治療機関(又は医師)での治療を開始したからといつて、これによりそれ以外の治療機関(又は医師)での治療を受ける権利を失つてしまうわけではなく、不合理なものでない限り転医することもまた被害者の権利に属するものというべきだからである(転医を頻繁に繰り返す被害者の中には問題のある者も少なくなく、状況によつては、合理性のない転医としてそれ以後の治療を賠償の対象から外すべきものとされることもあり得る。しかし、このことは、右のように述べることの妨げとはならない。)。北条病院で治療を受けていた原告が河田医院の診察を受けたのは、同病院の指示で退院はしたものの、体の状態が思わしくなかつたので、別の病院で診てもらつたらと思つてのことであつたというのであり(原告本人の供述((第一回))と弁論の全趣旨とで認められる。)、その結果、原告が、同病院とは異なる判断と指示を下す同医院に転医したからといつて、直ちに右転医を不合理なものとして転医後の治療を賠償の対象から外すことはできない。

4  また、事故につき責任ある加害者の不適切な治療を行つた医師の責任の関係について共同不法行為(民法七一九条)の問題として論じられることが少なくないが、被害者が加害者の責任を追求する場合には、前記の二つの意味の因果関係が共に認められる限り、共同不法行為を問題とする必要はないというべきである。右因果関係が認められる限り、加害者は、被害者に対する関係では、医師の不適切な治療についても賠償の責任を負わなければならないことは、共同不法行為制度を論ずるまでもなく民法の一般原則(民法七〇九条)自体から当然出てくる帰結であり、この帰結が共同不法行為制度の存在によつて被害者に不利益に変様することはあり得ないからである(共同不法行為制度はそれがない場合に比して被害者の救済をより完全にするための制度である。)。

第五後遺症

成立に争いのない甲第二八号証と原告本人の供述(第二回)とにより請求原因三2の事実が認められ、この認定の妨げとなる証拠はない。

第六損害

一  治療費 金三二六万二〇二八円

当事者間に争いがない。

二  文書代 金七万三〇〇〇円

当事者間に争いがない。

三  交通費 金九万七二〇〇円

当事者間に争いがない。

四  雇入れ日当 金二八万六〇〇〇円

1  原告は、本件事故発生以前から、三和興産に勤務する傍ら、家族とともに稲作、果樹栽培などの農業に従事してきている。

右事実は、原告本人の供述(第一、二回)と弁論の全趣旨とによつて認められる。

2  原告は、前記傷害のため農作業に従事することができなくなり、このこともあつて、昭和五七年五月から同年九月までの間に、訴外池田好徳らを雇い入れ、田植等の農作業に従事させ、日当として合計金三八万六〇〇〇円を支払つた。

右事実は、原告本人の供述(第一回)とこれにより成立の認められる甲第二〇ないし第二三号証とにより認められる。

3  しかし、右金三八万六〇〇〇円全部を本件事故により生じた損害と見ることはできない。原告本人の供述(第一、二回)によれば、本件事故の前年である昭和五六年にも、原告は、田植、稲刈り等のために他人を雇い、合計金一〇万円を支払つていることが認められるからである。すなわち、右認定事実からすると、昭和五七年に原告の支払つた金三八万六〇〇〇円の中には、本件事故の有無にかかわらず支払われるべきものも含まれていると考えるのが合理的であり、他に資料がないので、昭和五六年に支払のなされた金一〇万円をもつてその額と判定することにする。

4  右のように考えると、本件事故のために必要となつた雇入日当は金二八万六〇〇〇円となる。

五  休業損害 金二四八万四〇〇〇円

1  休業期間 原告は、本件事故発生前三年ころから三和興産に勤務し、石油タンクの掃除、土木仕事等の肉体労働に従事してきていたが、本件事故による傷害のため、症状固定日である昭和五八年一〇月二八日までの一八箇月間、働くことができなかつた。

右事実は、原告本人の供述(第一、二回)と弁論の全趣旨とにより認められる。

2  収入

原告が三和興産から得た本件事故前三箇月の平均給与月額は金一三万三〇〇〇円を下らず、また、原告は、本件事故発生前、年額金六万円(夏、冬各期に金三万円ずつ)の賞与の給付を受けていた。

右は、<1>原告本人の供述(第一、二回)、<2>原告本人の供述(第二回)により成立の認められる甲第二四号証、<3>原告本人の供述(第二回)により成立の認められる甲第二七号証を総合して認めることができる。

3  算式 13万3000×18+6万×18/12=248万4000

六  症状固定後の逸失利益 金二六万五一八〇円

1  労働能力の喪失割合と喪失期間 五パーセント、三年間(新ホフマン係数二・七三一)

前記後遺症により原告がその労働能力の一部を喪失したことは明らかである。しかし、喪失の程度とその存続期間をどのようなものと判定するかは困難な問題である。成立に争いのない甲第二八号証(自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書)や原告本人の供述(第一、二回)の一部によれば、従事できる作業、従事できる時間にかなりの制約を受けてきたようにも見える(本件事故後今日に至るまで三和興産の勤務はしていない。)。けれども、原告本人の供述(第二回)の一部と弁論の全趣旨とによれば、原告は、遅くとも昭和六〇年三月から五月にかけてのころには、みかんの入つた箱をかなりの高さまで持ち上げたり、くわやスコツプを用いたりの作業に従事したりもしていることが明らかである。これらの資料を中心に、この点に関する全資料に照らし、原告は、その労働能力の五パーセントを三年間にわたり喪失したものと評価することにする。

2  年収 金一九四万二〇〇〇円

(一) 給与所得 金一六五万六〇〇〇円

13万3000×12+3万×2=165万6000

(二) 農業所得 金二八万六〇〇〇円

右は、原告が本件事故後昭和五七年の農業収入を得るため雇入れ日当として支払つた額のうち本件事故によつて生じたと認められたものと同一である。すなわち、原告の農業収入を得る上で原告の労働の占めていた役割を金銭的に評価すると、ほぼ右金額に相当するものと見られる。この点につき、原告は、農業総生産年額金一四六万円の四〇パーセントをもつて原告の逸失利益算定の根拠とするが、採用できない。原告は、前述のとおり三和興産に勤務する傍ら農業に従事してきていたに過ぎず、また、右生産には、原告の家族(主として妻)も従事してきている。さらに、右生産額の中には、いわば土地そのものが生み出したというべき部分も含まれている。

3  算式 194万2000×0.05×2.731=26万5180

七  慰藉料 金一七〇万円

八  以上合計 金八一六万七四〇八円

九  損害填補 金二五一万七〇七〇円

当事者間に争いがない。

一〇  八―九 金五六五万〇三三八円

一一  弁護士費用 金四〇万円

一二  一〇+一一 金六〇五万〇三三八円

第六結論

以上によれば、右損害合計金六〇五万〇三三八円の範囲内である金六〇〇万円とこれに対する昭和五七年四月三〇日(本件事故発生日以後の日である。)から支払済みまでの民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払を求める原告の請求は理由がある。そこでこれを認容し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条、仮執行の宣言につき同法一九六条一項をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 山下和明)

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